第1話 はじまり
朝4時、スマートフォンのアラームが起床を促す。私は、スマートフォンを操作しアラームを止める。もう少し寝たいという思いが頭をかすめるが、それを振り払うようにベッドから起き上がり、隣で寝ている妻の知美を布団の上から2~3回軽く叩く。
家で風呂に入るのがあまり好きではない私は、毎朝シャワーで済ませるのだが、去年の暮あたりからボイラーの調子が悪く、シャワーヘッドから吐き出されるのは大抵、水だ。気合いを入れながら、頭と体を数分で洗い上げる。タオルで体を拭いていると、少し体がポッポしてきて気持ちいい。
下着だけ着け寝室に戻ると、妻は眠そうな顔をしながら着替えている。私はいつものように身支度を整え、それからいつものように二人で車に乗り、そしていつものように妻が経営するそば屋に向かう。
私たち夫婦の一日はこうして始まる。